安全衛生工学

教員

橋本 訓 ( Satoshi HASHIMOTO )

教授(環境安全保健機構、安全管理部門)

研究テーマ

連絡先

 

松井 康人 ( Yasuto MATSUI )

教授(環境安全保健機構、安全管理部門)ymatsui

研究テーマ

 労働環境を中心に、空間からの粒子状物質や化学物質の、ヒトへの曝露量評価をおこなっています。健康リスクは、これら物質の有害性に対し、どれほど体内に取り込まれ、蓄積し、排泄されるかについても加味する必要があります。空間における実測や、細胞や動物を用いた定量、シミュレーションなどの推算を通じて、曝露量を評価しています。これにより、定量的な安全を社会に提供していくことを目指しています。

連絡先

吉田キャンパス 楽友会館別館
TEL: 075-753-3308
FAX: 075-753-3310
E-mail: matsui.yasuto.6r @ kyoto-u.ac.jp

研究テーマ・開発紹介

職場環境の定量的評価とエビデンスに基づいた改善措置

 化学物質や粒子状物質、物理的有害要因、労働態様に係わる有害因image1.jpg子、安全に係わる危険因子など、職場環境におけるすべてのリスクの程度を、それぞれ個別に、客観的に、可能な限り科学的に定量評価し、そのエビデンスに基づき優先順位を決定し、これを削減する管理が求められています。

 そのために、実際の労働現場で調査を実施したり、発生源の一部を模擬的に実験室で再現したり、ヒトの呼吸器における吸入モデルを作成したりすることで、新たな評価技術の探求や、改善に向けた提案を行います。

 スキルの習得や調査、研究に留まらず、安全で安心な職場環境を形成するための、「計画-実施-評価-改善」の一連過程が、自身で管理できるエキスパートを養成します。

生物学的指標を活用した有害物質の曝露評価

 ヒトへの有害物質の曝露経路は、「経皮・経気道・経口」に大別されimage2.jpgます。空気中や食品などにまれる物質の濃度から、ヒトへの曝露量として試算することも可能ですが、血液や尿、唾液、毛髪などの生体試料中の指標を計測することで、曝露量を推定することができます。これらのバイオマーカーは、健康診断での値のように、曝露量を反映するのみならず、疾患などの影響量を現す時もあります。

 リスクが懸念されているアクリルアミドやアルデヒド類は、血中のたんぱく質やDNAと結合すると考えられており、その寿命に応じた累積的な曝露評価が可能であると期待されています。

 体内に摂取されてから、分解、排泄されるまでをトレースし、有用な生物学的指標の探索と、より精密な曝露評価を研究しています。

ナノマテリアル・粒子状物質の曝露評価手法の確立

 酸化チタンやカーボンナノチューブなど、多くの種類のナノマテリアimage3.jpgルが開発され、でに市場に出回っています。アスベスト様作用をはじめ、これらの有害性についても検証が進んでいます。

 一方で、これらの材料が製品として使用された際に、ヒトにどれほど曝露があるのかについては知見が足りていません。チャンバーを用いた1粒子追跡システムを開発することで、国際標準としての曝露評価手法を提案しています。これにより、事業者自らが評価する自主管理体制が期待されています。

研究室ウェブサイト

www.sohe.esho.kyoto-u.ac.jp(工事中)