大気・熱環境工学

地球環境問題の解決方法をシミュレーションモデルで探る

地球温暖化や大気汚染、食糧問題、水資源問題など地球規模の環境問題の影響やその解決方法を評価するためには、工学だけでなく、社会・人文科学にわたる知識と情報を有機的に組み合わせる必要があります。当研究室では、広い視野に立って関連情報を整理し、それらの間に存在するメカニズムのモデル化や、定量的な検討、将来推計および対策の立案などに関する研究を行っています。特に今や脱炭素はあらゆる企業で求められています。これらの分野に関する基礎的・専門的な知識、社会全体を俯瞰的に見るマクロな視点、環境・エネルギーに関連する高度なデータ解析能力が身につき、多様な就職先で活躍できる人材を輩出しています。

教員

藤森 真一郎 ( Shinichiro FUJIMORI )

教授(工学研究科)R5AJ5506s.jpg

研究テーマ

  • 温室効果ガス排出削減策の評価
  • 気候変動影響・適応策評価
  • 持続可能な開発に関する統合評価モデリング

連絡先

桂キャンパス Cクラスター C1-3号棟 361号室
TEL: 075-383-3367
FAX: 075-383-3371
E-mail: sfujimori@athehost.env.kyoto-u.ac.jp

大城 賢 ( Ken OSHIRO )

助教(工学研究科)OSHIRO.jpg

研究テーマ

  • 温室効果ガス排出削減に関するシナリオ分析
  • エネルギーシステムモデルの開発と適用
  • 中長期を対象とした温暖化政策の評価

連絡先

桂キャンパス Cクラスター C1-3号棟 362号室
TEL: 075-383-3369
FAX: 075-383-3371
E-mail: koshiro@athehost.env.kyoto-u.ac.jp

研究テーマ・開発紹介

世界・主要国の温室効果ガス排出量を推計する経済・エネルギーシステムモデルの開発

本テーマでは、2030年から2100年といった短中長期に及ぶグローバル・アジア・日本などの温室効果ガス削減策に関する研究を行います。エネルギーや経済を詳細に扱ったモデルを用いた解析、政策提言、及び関連する科学0的知見の創出を行い、脱炭素化への道筋とそれに関連する情報を社会・政策決定者へ示します。例えば、太陽光やバイオマスエネルギーはいつ、どの程度、どの地域で導入が必要で、そのための費用はいくらぐらいでしょうか?我々の省エネなどの取り組みの効果がどれくらいあるのでしょうか?本テーマは、そんな問いに答えます。

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図1. 将来のエネルギーシステムのシミュレーション例

持続可能な開発目標の定量化、様々な部門への波及効果の推計

持続可能な開発目標(SDGs)は貧困、飢餓、水資源や経済、気候変動など2030年における様々な分野の開発に関する目標を設定しています。本テーマでは、これらのSDGsうち環境に深く関連する項目を取り上げ、2030年に留まらず2050年、2100年までを見通した開発に関する目標を検討します。気候変動だけでなく複数の環境分野にまたがる分析を行い、特に、食料・農業・飢餓、貧困と格差等の人間社会の根本に迫る社会経済的な事象のモデリングとシミュレーション分析を行います。 SDGsの各目標間にはどんな関係があるのか?といった問いに答えようとする研究テーマになります。

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図2.統合評価モデル全体像とSDGsの関連

大気汚染シミュレーションと脱炭素社会の共便益の分析

社会システムの脱炭素化は大気汚染を軽減し、人間社会や生態系に様々な便益をもたらすとされています。しかし、それがどの程度なのか、温室効果ガスゼロエミッション目標を満たすような大規模な排出削減を行った時にどこまで便益があるのかはよく理解されていません。本テーマでは、大気汚染物質の拡散計算を行い、その結果から健康、農業等への影響を推計し、温室効果ガス削減政策の策定へ貢献を行います。計算にはスパコンを用います。

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図3.PM2.5濃度のシミュレーション例

研究室ウェブサイト

http://www.athehost.env.kyoto-u.ac.jp/