水環境工学

本研究室では,流域の水質,水量および場についての健全な水環境の保全と創造にとって重要となる,水環境中での生態系変化とその要因分析,水環境中での物質の移行・濃縮・変換を含めた水質汚濁機構と汚濁物質の運命,水質評価のための各種指標とその測定・分析方法,水質保全技術,水処理技術,汚濁物負荷低減と資源循環回収技術などについて,物理学的,化学的,および生物学的見地から,実験および現場調査を主体としつつ,コンピュータ解析・数理モデル化と,シミュレーションをも組み合わせて研究しています。

特に,生態学的および微生物学的過程での移行・変換過程について、基礎から動力学・モデル化,汚濁機構解明および保全技術や水処理技術の開発への応用を,また化学酸化について,基礎から有害物質の分解や消毒および保全技術や水処理技術の開発への応用を研究しています。

教員

西村 文武 ( Fumitake NISHIMURA )

西村 文武准教授(工学研究科)

研究テーマ

  • 生物膜を用いた水質変換機構の解明
  • オゾン併用型生物学的廃水処理システムの開発
  • 水環境シミュレーション

連絡先

桂キャンパス Cクラスター C1-2号棟 221号室
TEL: 075-383-3349
FAX: 075-383-3351
E-mail: nishimura.fumitake.3n@kyoto-u.ac.jp

日高 平 ( Taira HIDAKA )

講師(工学研究科)

研究テーマ

連絡先

研究テーマ・開発紹介

都市廃棄物・廃水処理

廃水や廃棄物を資源あるいは資源材料として取り扱い,都市や地域内で資源を循環利用することをコンセプトに,生ゴミを下水道で収集しエネルギーと資源を回収する一元化システムを,21世紀の新たな都市基盤施設として確立することを目指して、その要素技術である効率的・省エネルギー型高度処理技術、高温高負荷嫌気性発酵技術,汚泥発生抑制・燐回収技術などの開発研究をおこなっています。 

生物膜ろ過反応器による下水再利用技術の開発研究
コンパクトで維持管理の容易な下水の高度処理技術として,生物膜ろ過反応器の開発を試みています。ろ過といった物理学的効果とともにろ床表面に付着増殖した生物膜の変換機構をも活用するものであり,従来の生物学的反応器より,省スペースで高度の処理が期待され,下水の水資源化が図れます。   
      
嫌気性発酵技術の開発研究
生ゴミ等の有機酸発酵・メタン発酵をおこなう技術開発をおこなっています。メタンはガスエンジン等で電気と熱の生成に利用されます。 55℃という高温で,従来より10倍程度の高負荷(高速)での発酵を目指しています。   
      
汚泥発生抑制・燐回収技術の開発研究
今世紀中に枯渇すると予測されている燐を結晶状物質として下水中から回収するとともに,下水処理過程で発生する余剰汚泥量を削減する技術を開発しています。そのために,生物学的燐除去,オゾン処理,結晶生成の技術を統合して用いています。

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図-1 資源回収型の都市廃水・廃棄物処理システムと要素技術

化学酸化処理

消毒・有害化学物質の無機化などの目的で,オゾン処理が研究されており,近年では水の処理や再利用にも活用されつつあります。しかし,水中に含まれている物質とオゾンとの反応により,有害性を有する副生成物の生成が懸念されています。そこで本研究では,副生成物についての検討を,様々な角度から試みています。

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図-2 オゾン処理による下水処理水中のエストロゲン様作用変化 
 
バイオアッセイ法によるオゾン処理副生成物の評価   
オゾン処理の副生成物の中で,雄の雌化に関与するエストロゲン性物質および変異原性物質に注目しています。そして,それらの物質に対する安全性評価をおこなうためバイオアッセイ法(生物学的試験法)を確立しつつ,効率的で安全なシステムの構築を試みています。    
      
機器分析によるオゾン処理副生成物の検討   
副生成物の生成を最小化しながら,疫学的安全性や副生成物の制御のための操作因子を求めるのが重要であります。本研究では,副生成物として発ガンの可能性が高い臭素酸や遺伝毒性,変異原性などの原因と考えられるアルデヒドなどについて,機器分析法を確立しながら,操作条件を検討しています。 

水質汚濁機構の解明

人間の活動に伴って種々の有害物質が環境に排出され,それらは環境中で輸送され変換され,また生態系を通じて濃縮され,我々人間の生存の基盤である生態系に甚大な悪影響を及ぼします。特に,微量であっても直接的に生物に悪影響を及ぼす,あるいは環境中で蓄積され生態系を通じて濃縮され長期的な悪影響を及ぼす環境微量汚染物質による環境汚染の防止は重要であります。これら汚染物質の人間活動等に伴う発生機構,環境中での輸送・変換機構,生態系での移行・濃縮機構および環境影響についての研究を推進しています。

湖沼・河川の汚濁機構解明   
湖沼や河川で現地調査を行いながら,汚濁機構の解とその制御対策について研究しています。水質分析手法としては,GC/MS,LC/MS,ICP, ICP/MS,ESCA,X-ray-FS,ESR,ICなどの高度分析機器も活用しています。また,世界各地の湖沼に幅広く適用可能な,汎用型生態数理モデルの開発を試みています。      
響についての研究を推進しています。

生物モニタリング   
 ポリ塩化ビニル(PCB)などの残留性有機汚染物質(POPs)について,生態系を通じた生体への濃縮過程や濃縮率などの濃縮機構の解明および生物モニタリング技術の開発のために,本研究を展開しています。そのために,大阪湾や播磨灘でのムラサキイガイ中の有害化学物質の定性的・定量的測定法を開発し,また一年間でのムラサキイガイの成長過程での濃縮状況把握,濃縮量と環境条件などとの関係について解析を試みています。  

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図-3 汎用型湖沼モデルの計算結果例

研究室ウェブサイト

【作成中】